交直ハイブリッド電力ネットワークの構成と制御方式に関する研究
研究目的・概要
21世紬の配電系統は自然エネルギー電源、新型電力貯蔵、自家発電の増改設など多用な分散型電源が導入されようとしている。また都市部の大容量配電やコンビナートの近代化など電力需要の高密度化と高信頼化への要求が高まっている。しかし現状の放射状配電系統では制御白由度の低さからこららへの要求への対応が難しい。そこで本課題では分散型電源の接続が容易であり、制御性の良い直流系統を既存の交流系統に追加的に配し、高信頼度・高品質電力の供給を可能とする交直ハイプリッド電力ネットワークを提案し、構成・運用・制卸・保護方法の実用化に向けての検討を行い、500kW規模の実証試験設備の構築に向けての具体的な仕様検討を行う。
研究開発項目及び研究成果
既存の配電系統は潮流が根本から末端方向に流れることを前提としており、分散型電源の導入拡大はこの前提を崩してしまう。直流系統で配電系統をループ化することで電力潮流を積極的に制御可能となり、分散型電源の大量導入が容易になる効果が期待される。交直ハイプリッド電力ネットワークのイメージ図を図1に示す。

更に,既存の交流配電系統を残したまま,直流系統を需要家内の配電設備として導入することで.電力供給の二重化が図られ信頼度の向上が可能となる。また直流系統を低電圧大電流として超伝導マグネットによる電力貯蔵機能を持たせることで,更なる信頼度の工場がが期待でき,出力変動の大きな自然エネルギー電源についても接続が容易となる。交直二重化による配電 のイメージ図を図2に示す。

結論
直流系統の導入形態として,配電系統への導入や需要家設備としての導入など,様々なケースが想定可能であり、各々について導入メリットと課題を明らかとする必要がある。また実現の目処をつけるためには,既存の交流系統と同等レベルの保護方式を検討することが重要である。更に、運用時においては自然エネルギー電源の導入比率を向上可能な電力需給制御手法の提案が必要である。
①交直ハイブリッド化による効果と謀題の明確化
②直流系統の保謹方式の提案
③電力需給制御手法の提案
以上の課題をシミュレーションによる机上検討を等して検討し,本庄早稲田における実大規模(500kw級)の実証試験設備の構錨に向けて研究を進める所存である。